3.1. Sitecore Azure Toolkit

Sitecore は Microsoft Azure の PaaS に対応しており、展開方法としては Marketplace および Azure Toolkit を利用した展開ができるようになっています。ここでは Azure Toolkit を利用して展開する手順に関してまとめています。詳細に関しては、このページの一番下にある参考サイトをご覧ください。

3.1.1. 展開をするにあたって準備するもの

以下のモジュールをダウンロードしてください。

Sample Powershell Script に関しては、README.md の中に含まれているためファイルではないため、新たに ps1 のファイルを作成してください。

注釈

本文書は Sitecore Experience Platform 9.1 Initial Release をベースに紹介をしています。

3.1.2. テンプレートのダウンロード

Github で公開されている Sitecore-Azure-Quickstart-Templates のクローンを作成します。クローンの作成先は今回は以下のフォルダとします。

C:\projects\Sitecore-Azure-Quickstart-Templates

3.1.3. Microsoft Azure Powershell のインストール

Web Platform Installer を利用して Microsoft Azure Powershell をインストールします。

Microsoft Azure Powershell を選択

Web Deploy 3.6 for Hosting Service も併せてインストールしてください。

3.1.4. Sitecore Azure Toolkit の展開

ダウンロードをした Sitecore Azure Toolkit を以下のフォルダに展開します。

C:\projects\sitecoeronazure

展開した後のファイル構成は以下のようになっています。

Windows PowerShell
Copyright (C) 2016 Microsoft Corporation. All rights reserved.

PS C:\Users\Administrator> cd \projects\sitecoreonazure
PS C:\projects\sitecoreonazure> dir


  ディレクトリ: C:\projects\sitecoreonazure


Mode                LastWriteTime         Length Name
----                -------------         ------ ----
d-----       2019/03/29     10:04                Copyrights
d-----       2019/03/29     10:04                resources
d-----       2019/03/29     10:04                tools
------       2018/10/23      9:44           3109 README.txt
------       2018/10/23      9:44          22528 SitecoreLicense.html
------       2018/10/23      9:49           1220 version.txt


PS C:\projects\sitecoreonazure>

続いて、Import-Module .toolsSitecore.Cloud.Cmdlets.psm1 -Verbose のコマンドを実行します。

PS C:\projects\sitecoreonazure> Import-Module .\tools\Sitecore.Cloud.Cmdlets.psm1 -Verbose
詳細: パス 'C:\projects\sitecoreonazure\tools\Sitecore.Cloud.Cmdlets.psm1' からモジュールを読み込んでいます。
詳細: コマンドレット 'New-SCCargoPayload' をインポートしています。
詳細: 関数 'ConvertTo-SitecoreWebDeployPackage' をインポートしています。
詳細: 関数 'Set-SitecoreAzureTemplates' をインポートしています。
詳細: 関数 'Start-SitecoreAzureDeployment' をインポートしています。
詳細: 関数 'Start-SitecoreAzureModulePackaging' をインポートしています。
詳細: 関数 'Start-SitecoreAzurePackaging' をインポートしています。
PS C:\projects\sitecoreonazure>

これでツールの準備ができました。

3.1.5. ファイルの準備

以下のファイルを C:\projects\sitecoreonazure のフォルダに準備してください。

  • ライセンスファイル

  • 証明書

証明書がない場合は、 自己証明書の作成手順 を参考にしていただくとよいですが、参考の PowerShell のスクリプトはこのリポジトリでも提供しています。

makecert.ps1

実行するとパスワードを聞いてきますので、パスワードを設定して証明書のファイルを作成してください。

続いて Azure の Blob にすでにダウンロード済のファイルを展開して、アップロードをします。

3.1.6. 実行ファイル、パラメーターの設定

展開のスクリプトファイル deploy91.ps1 に関して、以下のパラメーターを変更してください。

# Specify the parameters for the deployment
$ArmTemplateUrl = "https://raw.githubusercontent.com/Sitecore/Sitecore-Azure-Quickstart-Templates/master/Sitecore%209.1.0/XPSingle/azuredeploy.json"
$ArmParametersPath = ".\azuredeploy.parameters.json"
$licenseFilePath = ".\license.xml"

# Specify the certificate file path and password if you want to deploy Sitecore 9.0 XP or XDB configurations
$certificateFilePath = "C:\projects\sitecoreonazure\sitecoreonazuredemo.pfx"
$certificatePassword = "qwer1234"
$certificateBlob = $null

$Name = "jpn-tokyo-sitecore-deploy910"
$location = "JAPAN WEST"
$AzureSubscriptionId = ""

パラメーター

内容

$ArmTemplateUrl

標準のセットアップを考えているため、Github にある展開ファイルを設定

$ArmParametersPath

Github からダウンロードした対象となるパラメーターファイル

$licenseFilePath

ライセンスファイルのパスを設定

$certificateFilePath

証明書のファイルのパス

$certificatePassword

上記の証明書のパスワード

$Name

展開するリソースグループ名

$location

展開するデータセンター名

$AzureSubscriptionI

Azure Subscription の ID

続いてパラメータファイルを設定しますが、 azuredeploy.parameters.json には Azure のストレージ、Blob にアップロードしているパッケージの URL を指定してください。

パラメーター

内容

location

展開するデータセンター( Japan West )

sitecoreAdminPassword

管理者パスワード

sqlServerLogin

SQL Server ログイン名

sqlServerPassword

SQL Server ログインパスワード

siMsDeployPackageUrl

Sitecore Identity Server のパッケージ URL

singleMsDeployPackageUrl

Sitecore のパッケージ URL

xcSingleMsDeployPackageUrl

Sitecore xConnect のパッケージ URL

なお、Sitecore のパッケージに関してはダウンロードした上で、Azure のストレージに展開をしてください。

Azure Blob にアップ

アップしたファイルの URL を上記のように設定する形です。

3.1.7. 展開を実行する

上記のように準備した後、あとはスクリプトを実行するのみです。まずは Powershell のコンソールから Azure にログインを実行します。

PS C:\projects\sitecoreonazure> Add-AzureRmAccount

続いて作成したスクリプトを実行すれば完了となります。

PS C:\projects\sitecoreonazure> .\deploy91.ps1

上記の設定がすべてクリアできていれば、40分ほどで展開が完了します。