5.2. Sitecore Azure Toolkit 2.4

Sitecore は Microsoft Azure の PaaS に対応しており、展開方法としては Marketplace および Azure Toolkit を利用した展開ができるようになっています。ここでは Azure Toolkit を利用して展開する手順に関してまとめています。詳細に関しては、このページの一番下にある参考サイトをご覧ください。

5.2.1. 展開をするにあたって準備するもの

以下のモジュールをダウンロードしてください。

Sample Powershell Script に関しては、README.md の中に含まれているためファイルはありません。新たに ps1 のファイルを作成してください。

5.2.2. テンプレートのダウンロード

必要なファイルだけダウンロードすることで、実際のインストールは可能ですが、今回はすべて手元にクローンを作成してから作業を進めていきます。

まず、Github で公開されている Sitecore-Azure-Quickstart-Templates のクローンを作成します。クローンの作成先は今回は以下のフォルダとします。

C:\projects\Sitecore-Azure-Quickstart-Templates
リポジトリのクローンを作成

5.2.3. Microsoft Azure Powershell のインストール

Microsoft Azure Powershell をインストールします。PowerShell のコンソールを開いて、以下のコマンドを実行してください。

Install-Module -Name AzureRM -AllowClobber
Microsoft Azure Powershell をインストール

またこれとは別に Web Deploy 3.6 for Hosting Service も併せてインストールしてください。

5.2.4. Sitecore Azure Toolkit の展開

ダウンロードをした Sitecore Azure Toolkit を以下のフォルダに展開します。

C:\projects\sitecoreonazure

展開した後のファイル構成は以下のようになっています。

Windows PowerShell
Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved.

PS C:\Users\Administrator> cd \projects\sitecoreonazure
PS C:\projects\sitecoreonazure> dir


    ディレクトリ: C:\projects\sitecoreonazure


Mode                LastWriteTime         Length Name
----                -------------         ------ ----
d-----       2019/12/13     12:57                Copyrights
d-----       2019/12/13     12:57                resources
d-----       2019/12/13     12:57                tools
------       2019/11/25     12:28           3109 README.txt
------       2019/11/25     12:28          22528 SitecoreLicense.html
------       2019/11/25     12:32           1532 version.txt

続いて、Import-Module .\tools\Sitecore.Cloud.Cmdlets.psm1 -Verbose のコマンドを実行します。

PS C:\projects\sitecoreonazure> Import-Module .\tools\Sitecore.Cloud.Cmdlets.psm1 -Verbose
詳細: パス 'C:\projects\sitecoreonazure\tools\Sitecore.Cloud.Cmdlets.psm1' からモジュールを読み込んでいます。
詳細: コマンドレット 'New-SCCargoPayload' をインポートしています。
詳細: 関数 'ConvertTo-SitecoreWebDeployPackage' をインポートしています。
詳細: 関数 'Set-SitecoreAzureTemplates' をインポートしています。
詳細: 関数 'Start-SitecoreAzureDeployment' をインポートしています。
詳細: 関数 'Start-SitecoreAzureModulePackaging' をインポートしています。
詳細: 関数 'Start-SitecoreAzurePackaging' をインポートしています。
PS C:\projects\sitecoreonazure>

これでツールの準備ができました。

5.2.5. ファイルの準備

以下のファイルを C:\projects\sitecoreonazure のフォルダに準備してください。

  • ライセンスファイル

  • 証明書

証明書がない場合は、 自己証明書の作成手順 を参考にしてください。

続いて Azure の Blob にすでにダウンロード済のファイルを展開して、アップロードをします。必要なモジュールをアップロードして、インストールの際に利用できるようにしておきます。

ファイルをアップロード

パラメーターのファイルに関して、今回は XP Single のイメージを利用するため、 C:\projects\Sitecore-Azure-Quickstart-Templates\Sitecore 9.3.0\XPSingle にある azuredeploy.parameters.json をコピーしてください。

5.2.6. 実行ファイル、パラメーターの設定

展開のスクリプトファイル azuretoolkit240.ps1 に関して、以下のパラメーターを変更してください。

# Specify the parameters for the deployment
$ArmTemplateUrl = "https://raw.githubusercontent.com/Sitecore/Sitecore-Azure-Quickstart-Templates/master/Sitecore%209.3.0/XPSingle/azuredeploy.parameters.json"
$ArmParametersPath = ".\azuredeploy.parameters.json"
$licenseFilePath = ".\license.xml"

# Specify the certificate file path and password if you want to deploy Sitecore 9.0 XP or XDB configurations
$certificateFilePath = "C:\projects\sitecoreonazure\sitecoreonazuredemo.pfx"
$certificatePassword = "qwer1234"
$certificateBlob = $null

$Name = "jpn-tokyo-sitecore-deploy930"
$location = "JAPAN WEST"
$AzureSubscriptionId = ""

パラメーター

内容

$ArmTemplateUrl

標準のセットアップを考えているため、Github にある展開ファイルを設定

$ArmParametersPath

Github からダウンロードした対象となるパラメーターファイル

$licenseFilePath

ライセンスファイルのパスを設定

$certificateFilePath

証明書のファイルのパス

$certificatePassword

上記の証明書のパスワード

$Name

展開するリソースグループ名

$location

展開するデータセンター名

$AzureSubscriptionI

Azure Subscription の ID

続いてパラメータファイルを設定しますが、 azuredeploy.parameters.json には Azure のストレージ、Blob にアップロードしているパッケージの URL を指定してください。

パラメーター

内容

location

展開するデータセンター( Japan West )

sitecoreAdminPassword

管理者パスワード

sqlServerLogin

SQL Server ログイン名

sqlServerPassword

SQL Server ログインパスワード

siMsDeployPackageUrl

Sitecore Identity Server のパッケージ URL

singleMsDeployPackageUrl

Sitecore のパッケージ URL

xcSingleMsDeployPackageUrl

Sitecore xConnect のパッケージ URL

5.2.7. 展開を実行する

上記のように準備した後、あとはスクリプトを実行するのみです。まずは Powershell のコンソールから Azure にログインを実行します。

PS C:\projects\sitecoreonazure> Add-AzureRmAccount

続いて作成したスクリプトを実行すれば完了となります。

PS C:\projects\sitecoreonazure> .\deploy93.ps1

上記の設定がすべてクリアできていれば、40分ほどで展開が完了します。